日常のエッセイストのブログ

日常の些細な出来事や思考を綴るエッセイ

蛙化現象はなぜ起きるのか、心理学的考察

最近、蛙化現象が話題です。蛙化現象とは、片思い中は好きな相手のことを美化してしまうが、付き合い始めると相手の欠点が見えてきて、恋が冷めてしまう現象です。今回は蛙化はなぜ起きるのか心理学的な知見で考察をします。

 

まず、蛙化現象とは何かを簡単に説明しましょう。蛙化現象とは、片思いの相手から好意を返されたり、両思いになったりした途端に恋愛感情が冷める心理が生じている状態 のことです。この言葉は、グリム童話の『かえるの王さま』に由来しています。

 

次に、蛙化現象が起こる心理学的な理由を考えてみましょう。蛙化現象には以下のような要因があると言われています。

 

理想と現実のギャップに戸惑っている

エフィーカシー(自己評価)が低い

深い関係になることを恐れている

相手と自分のコンフォートゾーン(居心地の良い空間)のズレ

ネガティブラポールが発生している

 


これらの理由について、具体的な例や解説を加えてみましょう。

理想と現実のギャップに戸惑っている場合は、恋愛そのものや相手に対する期待が大きくなりすぎて、交際開始後の現実との違いにショックを受けることがあります。例えば、相手が自分の思っていたよりも人間的な欠点があったり、自分と相性が合わなかったりすると、恋愛感情が急速に冷めてしまうことがあります。

 

エフィカシー(自己評価)が低い場合は、自己肯定感が低くて、相手の評価や反応が気になって仕方がなくなります。例えば、相手から「好きだよ」と言われると、「本当に?」「どこが?」「嘘じゃない?」と疑ってしまったり、相手の存在が大きくなりすぎて自分がなくなってしまうような不安を感じたりすることがあります。

 

深い関係になることを恐れている場合は、他人への不信感や拒絶感が強くて、本当の自分を知られたら嫌われるのではないかと心を開くことを避けます。例えば、相手からスキンシップを求められると、「気持ち悪い」「無理」と拒絶したり、相手の気持ちに応えられない罪悪感や焦りを感じたりすることがあります。

 

コンフォートゾーン(居心地の良い空間)が自分と相手とで異なると一時的に付き合っていても長く続かないことが多いです。この場合の空間とは物理空間だけにとどまらず情報空間も含まれます。例えば、趣味や嗜好の違いや価値観の違いが情報空間におけるコンフォートゾーンのズレといえます。相手の趣味嗜好や価値観が全く理解できない関係は長続きしませんよね。

 

ネガティブラポールとは、ラポールの反発現象といえます。ラポールは心理学用語で親近感のことです。ラポールが強いと恋愛感情は強まります。しかしラポールが強ければ強いほど相手の欠点を見つけて嫌悪感を感じてしまったときにネガティブラポールは強く生じてしまいます。完璧な人間が存在しない以上誰にでも欠点はあるのでネガティブラポールの現象は頻繁に起きます。

 

蛙化現象の克服法や対処法を紹介しましょう。蛙化現象は個人差や状況によって異なるものですから、一概に正解はありません。しかし、以下のような方法が効果的だと言われています。

パートナー以外の関係に目を向ける

パートナーの良いところを言葉にする

しっかりと気持ちを伝えたうえで距離を置く

お互いのコンフォートゾーンを合わせる

相手の欠点に対して寛容になる



パートナー以外の関係に目を向けるというのは、友達や家族などパートナー以外との関係を大切にするということです。パートナーとの二人きりの関係は、周囲に壁のある閉じた関係になりやすくて、心身に悪い影響を及ぼす場合もあります。パートナー以外の人とも交流することで、自分自身やパートナーに対する視野が広がり、関係が改善される可能性があります。

 

パートナーの良いところを言葉にするというのは、自分が好きだった理由や相手の魅力を思い出して、口に出して伝えるということです。恋愛感情が冷めてしまうと、相手の悪いところばかりが目についてしまいます。しかし、相手に対する感謝や尊敬を表現することで、ポジティブな感情が再燃したり、相手からも好意的な反応が得られたりすることがあります。

 

しっかりと気持ちを伝えたうえで距離を置くというのは、相手に対して正直に自分の状況や悩みを話して、一時的に連絡や会う頻度を減らすということです。蛙化現象に陥っているときは、相手からのアプローチが重圧に感じられてしまいます。そのため、無理に付き合っているふりをするよりも、相手に理解してもらって一息つくことが大切です。

 

お互いで相手のコンフォートゾーンに合わせる努力をすることが長続きするために必要なのかもしれません。コンフォートゾーンが同じであれば同じ趣味嗜好なので付き合いは長続きすると考えられます。

 

ネガティブラポールへの対処法としては相手の欠点に寛容になることが必要だと思われます。完璧な人間がいない以上誰にでも欠点はあります。

 

こうした対処法が蛙化現象に有効かもしれません。